溶接作業者や医療従事者を対象としたマスクのフィットテスト
溶接現場や医療現場において、粉じんやウィルスから健康を守るために必要なマスク。「防じんマスク」や「N95 マスク」はフィルターの性能が非常に優れているものの、マスクが顔にフィットしていなければ意味がありません。
フィットテストとは、マスクが使用者の顔に十分フィットしているかを客観的に評価するために行うテストのことです。
令和3年4月1日から「溶接ヒューム」が特定化学物質障害予防規則の対象となりました。
これに伴い、金属アーク溶接作業等を実施している屋内作業場においては、令和5 年4 月1日からマスクのフィットテストが義務化となり、1 年以内ごとに1 回、溶接作業者一人一人に対してフィットテストを実施していく必要があります。
(フィットテストの結果は記録簿等にまとめ、3 年間の保存が必要です)
日本では実施の規定は現在ありませんが、アメリカでは米国労働安全衛生庁(OSHA)によりN95 マスク導入時、その後は年1 回、医療従事者一人一人に対して実施することが義務付けられています。
N95 マスクは感染対策上、重要な防護具ではあるものの、装着手技が未熟な場合や顔にフィットしないマスクを選定した場合には、感染リスクの大幅な上昇を招いてしまいます。
新型コロナウイルスやその他感染症へのリスク軽減のために、N95 マスク導入時、その後は年1 回のフィットテストを実施しましょう。
定量的フィットテスト※ではマスクを装着した上で、インストラクターの動作指示に従いながら、専用の測定機器(フィットテスター)によりマスクの漏れを定量的に測定し、その結果が基準値(要求フィットファクタ)を満たしているかを確認します。
(所要時間:一人約3 分)
基準値に適合しなかった場合は、機器によるトレーニングモードで、マスクの微調整や漏れ箇所の確認などを行い、正しい装着方法を習得することができます。
(マスクサイズを交換した上での再テストも可能です)